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Home 技術文章 後収縮による寸法の変化
後収縮による寸法の変化 印刷 Eメール


 

結晶性樹脂の成形品内部には、結晶部と非晶部が混在しています。また、結晶化とはランダムな分子鎖が規則正しく配列することですから、結晶化によって樹脂の体積は減少します。これはご存知のとおり「収縮」と呼ばれる現象です。

 

溶融時の分子鎖の様子

分子鎖はランダムに混ざりあい、動いている

固化時

分子鎖に結晶部、つまり整列した部分が生じるその結果、体積が減少する

 

いったん樹脂が固化すると、分子鎖は固定され、固体の成形品の結晶部/非晶部の割合はもう変わらないように思えます。しかしながら実際には、成形品がある程度高温にさらされると、非晶部の分子鎖が再配列し、結晶化が進行する場合があります。その結果、成形品の体積がまた減少します。これが「後収縮」と呼ばれる現象です。後収縮が起きると、寸法の変化、ひけ、そり等の不具合が発生しやすくなります。

 

また後収縮は、成形品の使用環境温度が高い場合に起きやすくなります。また成形時に急冷固化すると、十分に結晶化が進まない場合がありますので、このような場合にも後収縮が起こりやすくなります。

 

後収縮を防ぐためには、成形品を実際に使用する前に結晶化を十分に進めておくことが大切です。具体的には、成形品を使用する環境温度から20℃くらい上の温度環境で、23時間静置します。これをアニーリング処理といいます。アニーリング処理後に寸法公差に入っていれば、問題は通常起き難くなります。